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法定相続登記後の遺産分割

遺産である不動産の相続手続きにおいて、相続人間に争いがある場合等で、取り敢えず法定の割合による共同相続登記(この登記は相続人の1人からの申請でも可能です。)を経た後で、正式に遺産分割を行い、その結果によって登記内容を変更する必要が出てくるケースがありますよね。

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下の事例で見ていきましょう。
事例
被相続人X
相続人A(被相続人の配偶者)、相続人B(相続人の子1)、相続人C(相続人の子2)
遺産である不動産の名義を誰にするか相続人間で話し合いがつかないため、取り敢えずAが単独申請にて
「持分4分の2A、持分4分の1B、持分4分の1C」
にて法定の割合による共同相続登記を行った。
その後、相続人間で遺産分割が成立し、結果的に相続人Aが単独で不動産を取得することとなった。
事例では、登記簿上の権利関係と、実態上に齟齬が生じていますから、修正する必要があります。

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任意の遺産分割協議が成立した場合

遺産分割協議書(印鑑証明書添付)を作成し、これを登記原因証明情報として「B、C持分全部移転」登記を申請します。
本登記申請は権利者A及び義務者B、Cの共同申請となります。
従ってB及びCに遺産分割協議書の署名捺印と登記申請に協力してもらう必要があります。
この場合の登記原因は「平成〇〇年〇〇月〇〇日遺産分割」となり遺産分割協議が整った日が原因日付となります。
登録免許税は「相続」が原因の場合と同じ固定資産評価額の0.4%です。


家庭裁判所の調停(審判)が成立した場合

そもそも最初の話し合いの時点でこじれてるわけですから、上記の任意の場合よりこちらのケースの方が多のではないでしょうか。
登記原因証明情報が遺産分割協議書から調停調書や審判書(確定証明書が必要です。)に変化するだけで、基本的な申請構造は同じなのですが、B及びCの協力なしにAが単独申請できる場合があります。
それは調停調書に、相続人B及びCに対し、遺産分割を原因とする持分全部移転の登記手続をすべきこと命じる条項がある場合です。
手続き的には、Aの単独申請の方が圧倒的に楽ですから、この条項は必ず盛り込んでおきたいものです。

MEMO

上記の遺産分割を原因とする持分全部移転をする際、登記義務者であるBやCの住所が登記簿上の住所と異なっていることがあります。(法定の割合による共同相続登記をした後に、住所を変更したような場合)
この場合は義務者の登記簿上の住所を現住所に修正してから、遺産分割による所有権移転登記をする必要があるのですが、調停調書に基づきAが単独で遺産分割により所有権移転登記が可能な場合は、義務者の住所変更登記をAが本人に代わって行うことができます。

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便利なので覚えておきたいテクニックです。

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